研究プロジェクト

教示行動の進化(Evolution of Teaching)


人間社会において “教える/教えられる” ということはごく一般的なものです.極端な言い方をすれば,”教える” ことは社会の中に組み込まれており,”教える” ことを通して人間同士の関係性や社会が構成されていきます.一方,自然界の他の動物を見渡したとき,”教える” ということはとてもレアなことです.そう考えると,ヒトという生物種でこれほど “教える” ことが一般的になったのはとても不思議なことです.裏を返せば,”教える” ことの謎を理解することは,私たちヒトという生物や人間社会を理解することに繋がります.この教示行動の進化的起源という謎に対して,数理モデルを用いた研究に取り組んでいます.

 

シチズンサイエンスの発展(Development of Citizen Science)


現代社会において科学の営みは「研究者」として専門家・職業化され,社会の中で重要な役割を担っています.これに対し,シチズンサイエンスや在野研究,アマチュア研究と呼ばれるような非職業的・趣味的に行われる科学の営みもまた行われ,個人のWell-Beingや地域社会・生態系保全など,様々な文脈において重要なものになっています.このシチズンサイエンスの営みやその効用,シチズンサイエンスと職業研究や学術コミュニティの関係性,シチズンサイエンスを支える基盤や倫理などについて検討するとともに,”良い” シチズンサイエンスコミュニティの構築や実践に向けた研究を行なっています.

 

科学文化と科学教育(Culture of Science and Science Education)


現代日本において科学文化から逃れて暮らすことは非常に困難だと言い切れるほど,私たちの身の回りには科学文化が溢れています.そのため,これらの科学文化と良い関係性を築くことは,個人としても社会としても重要な事柄だと言えます.私は,社会の中で科学文化が伝達・伝播していくには “教示” が関わっており,そしてその教示を通して科学文化と個人・社会が “公正な” 関係性を構築することが必要だと考えています.この “公正さ” を規定する教育的な価値観や,科学文化におけるコンテンツ(特にマンガやアニメ)を通した科学に関する体験について研究を行なっています.

 

関連ページ

※最新の研究発表・業績一覧についてはresearchmapをご覧ください.

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